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第一轉 解説

A Compendium for the Table No.01

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この轉から、全部で四十三ヶ轉の轉圖始まります。
東韻は、一等專韻と、三等韻の合併した韻で、 こういう韻書の方針は、切韻以前には無いこと であったろうと言われています。
これは、あたかも、
全書への見方について、 「注意深く見よ」との暗示を投げかける出だし のようにも感じられます。
先秦(上古)の 東:冬 の分かれた所屬からみると、 次の轉で冬韻の三等のようである鍾韻が、むしろ東部の三等のようでもあり、
また、 東韻三等はむしろ冬部から來るもののようでもあります。
の分かれは、ことにの關係が近かった戰國以前や、 下って漢代までだけでなく、 六朝時代の江淹や陶淵明の詩の押韻などにも見られます。
東韻三等の字には、收脣韻尾の諧聲をもつ字が、 まま見受けられます。
それらは大抵脣音字で、
例えば字などは、聲です。
收脣韻尾所屬から他韻への こういう脱落は、 例えば別のことでいうと、 のちに、凡韻の脣音字が、收脣韻尾から收舌韻尾へと脱落しています。
同じように、 この切韻系韻書の東三・冬一と、詩文の押韻、 それらの諧聲符などによって投影される冬部という先秦韻部は、 戰國時代のころまで、收脣韻尾を持っていただろう、とされていて、 詩文の押韻から觀ても、蒸部よりもさらに、 收脣韻尾と親近性があった樣子です。
切韻全體でいうと、
纒まりに參縒があるものを抽出する處理が臻韵などに見られる一方で、
纒めかたに參縒があるままであることによって區別を著しておいたらしいものが、
他にも見受けられます(入聲韻序など)。
今參〈陸詞切韻韻目表〉

中古「一東」 中古「二冬」
一等專韻 上古東部が多 上古冬部が多
一般三等韻 上古冬部が多 上古東部が多



冬部諧聲
                 
段玉裁『六書音均表』未分諸「弟九部」中、
『説文解字音韻表』段氏晩年所分冬部諧聲 (與自「弟三部」所分之四部入聲諧聲)。
六朝後期、纔始見字與冬部侵部往往相押。
蓋是、東韻唇音來源 (概爲侵部)、冬部較彊收脣韻尾之色彩 所以保有或種一定色彩的類推圧力而做這樣。

爲什麼混合唯一類(「東」一・三)于陸氏『切韻』之首?
拗音三紐之字、幾屬于東部
而『切韻』列于「冬」韻自唐刊謬補缺至宋『廣韻』皆移諸「鍾」韻
「鍾」韻、雖混于「冬」韻如此、冬部拗音皆在「一東」、東部而三等者概在「三鍾」、可識彼此。
蓋、陸氏分別冬部拗音于東部拗音 之法度・與其由縁、有如此者。
又、 『顏氏家訓』「音辭」篇
「河北、切字爲三字不同、殊爲僻也。」
其事之類、有鄰于此。
『切韻』三紐之後、皆爲東部、 其餘、皆爲冬部字矣。)




「韵鏡」廣韻切韻分布捷徑 [記號案内]
五十三加凡例一丁全五十四
二百六韻分配鏡七音有無圖
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