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第三轉 解説

A Compendium for the Table No.03

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この轉の專ら收める江韻は、二等專韻です。
十五大類という考え方では、 これを攝として分けずに、 通攝とともに類としています。
見ると、鍾韻は一般三等韻なのに二等位の音が無いので、 江韻はその第二轉にすっぽりと收まりそうに見えますが、 十六攝では、分けています。
それは、東部からのちに陽部に近づいていった一類を 分つものとされています。
なお、
一般型の三等韻の齒音二等位部分を共有したかのような二等專韻は他にもいくつか有ります。
例えば、麻韻の内部(29轉)・“庚韻二等”と“庚三等+靜韻”(第333435轉)などです。
その中で、齒音二等位しかない臻櫛は、
三等韻の一部分としての音だけなので、他の二等專韻とは區別されます。



十六攝
“『韻鏡』の各轉圖の隅に書かれている分類だが、
寫本時に書き足された後代の分類名稱である”、とされています。
名稱を諳誦するには、十六ですから、四攝づつ、四回 【通江止遇:蟹臻山效:果假宕梗:曾流深咸】束ねていうわけですが、
“陽聲(鼻音)韻尾2+陰聲(母音)韻尾3”が 二回【通江止遇蟹:臻山效果假】繰り返して、 さらに“3+3”【宕梗曾:流深咸】、という數え方も、できます。
いづれにしろ、韻圖に附加して云われる分類が攝なのですが、
その各圖を轉というのは、
佛典の誦えものを捲ることをといい、そのように 順序に從って誦えることをまた囀(轉)ともいうように、 深く順序が關わることを、承けており、 それが、韻書の紐序にされたのが、 所謂『集韻』です。
しかして、もともとである『切韻』には、 所謂「韻目下注」の他にも、 成書過程を反映するとされる、所謂「韻首の孤立」部や、 開合・直拗の纏まりの繰り返しなどを含んだ紐序が 獨自にあるのですから、一旦は、韻圖と韻書とを そのままに辿れるようになってみようというわけなのです。
それで、結局、とは、後代の韻にほぼ分類が、一致しながらも、
中古の韻圖についての順序と類とを概ね知るために附いた 大まかな名稱である、といえます。
これを、 中古の韻書に沿って行なったもの、 つまり韻書に附加して云われる分類を 十五大類といいますので、以下に別に云います。

十五大類
上記の十六攝は、韻圖の轉次に適う分類であり、
韻書の形での順序の反映する十五大類は、
ここでの「」韻不分のほかに、
廿二『切韻』廿一)「元」韻を 寒韻から始まる下方の山類に持っていかず (持っていくと韻圖の臻攝や山攝)に、 臻類のままに收めています。
(【眞諄臻文殷(}欣)魂痕】:【寒桓刪山先仙】
更にこの轉で云うのは 少し場違いですが、この順序の相違は、 上古から續く南北の違いを表すことと證す論(『切韻與方言』) があるように、その任官試驗での押韻基準の判斷は 微妙かつ厄介となって、「該死十三元!」 との俗語を後代に生んだのでした。
また、(宵韻と)仙韻(と)の重紐は、
董同 『上古音韵表稿』で初探されているように、 その遠近や時地とも符合していくことになる分別を 反映・保持しているのかもしれません。)




「韵鏡」廣韻切韻分布捷徑 [記號案内]
五十三加凡例一丁全五十四
二百六韻分配鏡七音有無圖
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