第十三轉
解説
A Compendium for the Table No.13
第十三轉と第十四轉とは、
「開」・「合」の對ですが、その一等の脣音を見ると、
共有せずに衝突しています。
「平」聲では、由來を辿ると
『切韻』に咍韻所屬の脣音が無かった
ということが分かり、それで良いかのようですが、
それには「上」・「去」聲で、『切韻』の頃からの抵觸があります。
これを抵觸とするよりも、
第八轉に關聯して出てきた古本韻の違いに眼を向けることで、
合理的に解釋できます。
また、古本韻として變則な所屬
(第十二轉の解説も參照のこと)の發音は、
韻の分類には無い「去」聲祭韻の「平」・「上」が、
そこに顯れているのだと一應いえそうだ、ということです。
二等・四等はそれぞれ專韻「開」・「合」、
二等專韻は、皆韻です。
そして、一等・四等は、古本韻です。
その特色は、第十一轉の解説で述べましたので、
ここでの例外を
祭韻に關係する問題として分けて見てください。
祭韻は、
ここの對では三等位、
第十五轉・第十六轉では、四等位を充てていますが、
元々どちらの對の二等にも二等韻があるために、
齒音の位置では、知らないと混乱します。
また、
入聲の位置は、便宜上去聲に宛てている意味の
所謂「去聲寄韻」で、
この對にある夬韻は、去聲です。
この配置(「去聲寄韻」)は、
-i(-えい;-あい)韻尾のこの四ヶ轉の前にも、
魚・模の轉を飛ばした微韻の第九轉と第十轉で
廢韻のために用いられます。
-
-
-