第卅九轉
解説
A Compendium for the Table No.39
この第卅九轉と次の四十轉とは一見、
侵韻を飛ばしてまた開合の對が始まったようでもありますが、
ただ單純にそういうことではなくて、
重紐三等韻である鹽韻は、
この轉でその三等位を、
次の轉では四等位を充てています。
こういうことは、すでに、
宵韻(第二十五・二十六轉)
で、見えました。
そして、一等專韻である覃・談兩韻は、
本來それぞれ別の來源をもつ古本韻
とされています。
ですから、その唇音は、兩セットある筈なのですが、
收脣韻尾の(脣を閉じて終わる)韻の唇音(脣を閉じて始まる發音)字は、
同じ子音の動きで母音を鋏む動きを嫌う異化
によって、早くから少くなり、
兩組の衝突が、なかなか割り宛てられないように
隱れてしまっているようすなのです。
この轉では、
鹽韻三等位の一方で、四等專韻の添韻があり、
次の轉では、
鹽韻四等位の一方で、三等專韻の嚴韻があります。
また、この轉の二等專韻には咸韻、
次の轉の二等專韻には銜韻があります。
そこで、特に次の轉では、
れいの衝突があることに注意して實際の韻圖を見て下さい。
[侵覃開合、假也。唇尾少唇音而隱矣。]
[專韻之間、鹽有二四]
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